こんにちは。2021年4月から国際食資源学院の博士課程に進学した、たかみつです。
多くの同期が札幌を離れてさみしいですが、そんな中で博士課程に進んで考えている、現時点での将来像を描いていきたいなと思います。
将来の目標はなにか?(2021年3月時点)
10年後には何をしたい? (ありたい姿)
「環境への負荷が少ない食糧生産」の確立に、科学技術面で貢献したい
人生の大きな目標として、より多くの人を笑顔にしたいというのがあります。
そこでお笑い芸人を目指していた時期もありました。小学校の時、当時の相方と、クオリティの高いラララライ体操をして、クラス全員を爆笑の渦に巻き込んでいたのはいい思い出です(相方は今、大手銀行で働いていて、刺激をもらっています)。
年齢を重ねて、よりマクロな視点で物事を見るようになって、笑顔というのは、世界の平和があってこそ成り立つものだと感じています。
そこで、いつしか、世界の平和にほんのちょびっとでも貢献してから死にたいというのが目標になっています。
世界の平和を維持する活動のなかでも、生活の基盤である、食糧生産に興味があります。
食糧生産も色々ありますが、僕が着目しているのは農業です。
世界の人口が増加する中で、農業(農地開発)も加速していますが、それが温室効果ガス排出・人獣共通感染症・土壌劣化といった問題を引き起こし、気候変動や農業生産性の低下などという形で人類に「揺り戻し」が降りかかってきています。
これまでの、どんどん新しい土地を開墾して農業をするというやり方では、土地的にも環境負荷的にも限界が来ています。今後は、限られた土地で生産性の高い農業を行っていくことが求められています。
そこで、土壌中の栄養が重要です。なぜなら栄養がないと作物は育たないからです。
日本は比較的、肥沃な土壌が多いのでイメージしづらいですが、世界の陸地の約40%が乾燥地・半乾燥地です。そういった地域では、土壌中の栄養の少なさが大きな問題です。
土壌中の炭素や窒素という栄養を、できるだけ大気や地下に流出させない
博士課程にも進んで、難しいことに取り組んでいるのかと思いきや、僕の研究の大きな目標は、いたってシンプルで、「土壌中の炭素や窒素という栄養を、できるだけ大気や地下に流出させない」ことです。
でもこれがシンプルそうで、難しいので、いまだに農業による環境負荷が抑えられていません。
下の図を見てください。
例えば窒素では、窒素ガス(N2)や複雑な構造の有機物(葉や糞など:Org-N)の状態では安定しています。しかし、植物が吸収できるのはその有機物が微生物によって分解された「アンモニア(NH4+)」や「硝酸(NO3–)」という状態です。
この「アンモニア」や「硝酸」は、植物に吸収されやすい反面、土壌からも流出しやすいんですよね。
植物に吸収されなかった硝酸は、地下に流出するか、微生物によってまた窒素ガス(N2)に戻されます。
この反応も途中で止まってしまうと、N2Oという温室効果ガス(二酸化炭素の約265倍の温室効果があると言われている:IPCC Fifth Assessment Report)が出てきてしまいます。
硝酸やN2Oを大量に流出させてしまうと地下水汚染・地球温暖化に繋がります。
これらをできるだけ流出させずに、土壌に栄養を保つようにするのが今後の課題です。
そして、驚かれるかもしれませんが、この図の黄色い矢印の反応が、ほぼすべて土壌微生物によって担われています。
土壌やそれを取り巻く環境の健康は、土壌微生物にかかっているのです。
土壌微生物の重要性、わかっていただけたでしょうか?
土壌の微生物の働きをもっと詳しく知って、物質の循環を制御できるようになれば、土壌劣化や大気・地下水汚染は減ると思います。
土壌1グラム中に約1億個体存在すると言われる土壌微生物に対して、そんなことが10年というスパンでできるのかはわかりませんが、その制御法の確立に少しでも貢献できればいいなというか、そういったプロジェクトに関わっていきたいです。
そして話は変わりますが、
最近出会った好きな言葉で、“The best way to predict the future is to create it.(未来を予測する一番の方法は、未来を創り出すことだ)”、という言葉に感銘を受けました。
たしか本で見つけたのですが、ググってみたところ、リンカーンとかドラッカーが言ったらしいですね。
ああだこうだと未来に起こりそうなことを予測ばっかりして自分は傍観するのではなく、自分が未来を創り出していく気持ちで頑張っていきたいです。
5年後は何をしたい? (ありたい姿)
①最低でも論文を5本出す
博士課程に進んだのはいいものの、実はまだ論文を世に出せていません(科学雑誌に投稿するという意味です)。
一般人には伝わらない可能性があるので強調しておくと、論文を出すというのは、科学的に新しい発見をするということです。
詳しい内容までは言えませんが、研究者として1年に1つは新しい発見をしたいという気持ちを込めて、5本にしました。
②海外で半年から1年程度の生活を経験していたい
- なぜ海外に行くのか
- ヨーロッパに行きたいです。環境問題に対する意識がヨーロッパで高いので、現地の人が実際にどう思っているのか知りたいです。またリアルな話、環境問題系の研究に対するお金のかけ方も日本とは違うと聞くので、そういったビッグなラボでの研究経験を積みたいです。
- アフリカにも行きたいです。例えば日本とアフリカでは、土壌の成り立ちから気候まで全然違います。そんな中で、日本の土壌だけを対象に研究をしていても、世界の土壌の問題に対処できるまでに時間がかかってしまいます。海外のチームとの共同研究は、世界の問題の解決に重要だと思っています。
- 長期で滞在して自分の研究をしたい
- 農学部や国際食資源学院で、シンガポール・デンマーク・ミャンマーでの実習、そして修士1年のときに研究でアフリカで調査させていただいて、貴重な経験をしましたが、まだまだ先生たちに「作ってもらった枠組み」のなかで楽しませてもらった感がありました。次のステップとして、日本人の指導教員に頼らずに、自分で研究者としてのコネクションを作りながら現地でフィールド調査などをセッティングし、今後の共同研究などに生かしていきたいです。
今年は何をする?
具体的な目標と計画
- 研究
- 修士の研究の論文を早く出したい(ドイツの共著者をせかす必要がある笑。そのために新しいデータを今度送りつける。)
- 後輩と一緒にやってた研究で2本目の論文も出したい
- 新しい実験を進める
- 土壌医検定2級の取得
- 自分の知識は微生物に寄りすぎだし、農業自体のことはあまりわかっていないので、農家さんや家庭菜園をしている父親にアドバイスできるような知識をつけたい
- IELTS・TOEFLの勉強
- 上で書いたように、海外で専門的な会話をしたいので、スピーキング能力を特に高めたい
- 留学生と話す機会はあるが、日常会話では会話力が上がっている実感を得るのは難しい。お金を払って試験を受けることで、勉強することを「明確化」して、さらに自分の能力を「数値化」することで、勉強を継続するモチベーションになると思った。
- 趣味
- アプリ開発
- Flutterを勉強して、スマホで使えるようなアプリを作りたい(作りたいアプリはまだヒミツ)
- まさみも言っていたけど、研究者は不安定な職業でもあるので、個人で少し稼げる能力を持っていたい
- 読書
- 年間50冊読むことを目標にしている(いま13冊)
- インスタで読書記録やってるのでよかったらフォローしてください
- サイクリング
- 実は僕は元サイクリングクラブ。久々に自転車旅を復活しようかなと思う。写真や動画をこのブログでもシェアできたらいいな。
- アプリ開発
1年後の自分に一言
2022年3月31日時点で論文2本出してれば、叙々苑に行こう!
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