土壌医検定3級に1か月で合格した勉強法

雑記

こんにちは。博士課程で土壌微生物を研究している、たかみつです。

土壌医検定3級というものを2021年2月14日に受け、見事合格することができました。

僕は現在「土づくりアドバイザー」を名乗ることができます!

今回はその経緯や勉強法を紹介します。

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土壌医検定とは?

土壌医検定は、日本土壌協会が主催している検定です。

最近、地力の低下、土壌病害の発生等や生産コストの低減が課題となっており、土壌診断に基づく土づくりの推進が重要となっています。

しかし、近年、こうした課題に対応できる土づくりの専門家が少なくなってきており、こうした人材を育成するため、土壌医検定試験を行っております。

試験の名称は、土壌を診断し、処方箋を出す専門家という内容から見て『土壌の医者』と言えることから「土壌医検定試験」と命名しております。

試験合格後は、当協会へ登録していただくことにより「土壌医」等の資格の名称が使えます。

(日本土壌協会ホームページより)

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土壌医検定を知ったきっかけ

修士2年の時に行った、富良野での実習で訪れた「ふらのワイン」の職員さんの名刺に「土づくりマスター」の文字があったのがきっかけです。

その方は、ワイン造り(ブドウ栽培から発酵まで)に誇りを持っている気がして、とてもかっこ良かったので、よりその資格に興味が湧きました。

なぜ受けることにしたか

かなりマニアックな検定ですが、受けることにした理由は、

①これからの食資源問題に対処していくうえで、食糧生産の基盤である土壌にもっと詳しくなりたいと思った

②その知識を証明できるものが欲しかった

という2つが大きいです。

とくに①は、普段研究をしていると、自分の研究テーマの微生物周り(生物性)のことばかり勉強していて、他の化学性(pH、窒素、リン、カリウムなどの動態)や物理性(水分、粘土質など)の知識が少なかったため、1度きちんと勉強をする機会を作ろうと思った、ということです。

ときどき農家さんに会う機会があるのですが、農業もやったことないので現場で役立つ知識が少なく、やっぱり自分はまだまだ実験室のなかの人間だなと痛感します(笑)

将来的には、実際の農業に研究を生かすような研究者になりたいので、受験することを決意しました。

博士になるんだろ2級受けろよって感じですが(笑)、修士論文を書く時期ともろ被りしていたし、焦って短期記憶しても意味ないので、3級にしました。

実際にした勉強法

12月に申し込んだのですが、12月は博士課程3年間の奨学金&研究費を獲得するための申請書類やプレゼンの作成、そして修論に追われており、あれよあれよという間に1月になってしまいました。

しかも、2月5日が修士論文提出、2月9日が修士論文発表会だったので、2月14日の土壌医検定の試験まで、他の事と並行してやっていかなくてはいけませんでした。

仕事は生きているだけで降ってくるので、このままでは土壌医検定の勉強ができなくてダメだと思い、戦略を考えました。

そこで、大切にしていたことが3つあります。

1:毎日勉強する時間を取る

当たり前かも知れませんが、本業(当時は修論)が忙しくなると、「今日は忙しいし資格の勉強いいかな」と思ってしまうことが多々あります。

そういって後回しにしてしまって、これまでできなかったことがいくつもあるので、時間を取ることにしました。

具体的には、ぐろばるメンバーのようすけと、じゅんと朝8時からZoomでつないで1時間作業するということをやっていました。

本業はどうせやるので、朝一番に本業以外で将来のためにやりたいことをやることで、複数の分野のことを同時に進められるのかなと思います。

友達と約束するのも勉強を習慣化するうえでプレッシャーになるので良いと思います。

あ、そういえばようすけに遅刻ペナルティのハーゲンダッツ買うの忘れてた(笑)

2:自分で問題を考える

過去問題集を数年ぶん解いていたのですが、過去問と全く同じ問題はそれ以降はあまり出ない傾向がありました。なので、同じ項目からでも類題を自分で考えておいて、その答えを用意しておくのは大事だと思います。しかもその過程で理解が深まると思います。

さらに、そういった問題をあとで一覧にしてA4プリントにしようと思ってたので、Excelに「問題」「答え」「備考」の3列を作って表にしていました

さらに、プリントした後に赤シートで答えを隠せるように、そのExcelの答えの欄を赤字で書いていました。Excelなら黒で書いておいて最後に一気に赤に変えられるので便利ですよね。

がむしゃらに勉強するのもいいですが、最初に「効率的に学習する方法」を考えてから勉強し始めるのが、早いし挫折もしにくいのかなと思います。

最近、英単語暗記用にWordHolicという単語帳アプリをスマホに入れているのですが、CSVファイル(Excelで編集できるファイル)に問題をまとめて入れて、アプリ内にアップロードすることもできるようです。

A4でプリントするとともに、スマホでいつでも勉強できるようにしておくのも効率化としていいと思うので、次の機会にやってみようかなと思います。

3:暗記する量を減らす

例えば、正誤問題で「土壌がアルカリ性になるとマンガンの溶解性が増し、過剰障害が発生しやすくなる」が正しいかどうかを問う、問題がありました。

過剰障害や欠乏症は、ほかの元素にもあるので、その元素ごとに「アルカリ性だとマンガンは~になる」という風にすべて覚えていたら、覚える量が多くなってしまいます。

なので、僕は、その元素が溶解したら陽イオン・陰イオンどちらになるのかだけ覚えてました。

マンガンは、Mn2+等の陽イオンになります。

細かい化学の話はさておき、土壌が酸性だとH+が多くなり、アルカリ性だと少なくなります。ざっくりいうと、プラスどうしは反発するので、酸性だとH+に押し出されるようにして陽イオンであるマンガンイオンが溶解してきやすく、逆にアルカリ性だと出てきづらくなります。

MnO2 + 4H+ ⇄ Mn2+ + 2H2O (※簡易ver.)

なので、先ほどの「土壌がアルカリ性になるとマンガンの溶解性が増し、過剰障害が発生しやすくなる」は間違いです。

こうして覚えておくことで、同じく陽イオンになる鉄・銅・亜鉛・ホウ素などに問題を変えられても対応できます。

※注意1:実際はこれら一つの元素からなる単原子イオンではなく、複数の元素からなる多原子イオンが生成される場合があるので、きちんと勉強したい人は土壌中のこれらの元素の動態を勉強することをお勧めしますが、個人的にここまでの勉強は土壌医検定の範囲を超えていると思います。

※注意2:検定に過剰症や欠乏症が出てくる元素のなかでモリブデンだけは、アルカリ性の条件でMoO42-のような陰イオンになって溶けだしてくるようなので、この理論は通用しません。何事にも例外はあるので注意です。

上の注意に書いたように、本当に土壌中で起こっている反応はもっと複雑なので、この説明はやや正確性を欠くと思いますが、土壌医検定や農業は、化学のテストではないので、ざっくりとしたpHに対する感覚を持っていればいいのではないかと思います。

「土壌中で溶けたとき陽イオン・陰イオンどちらになるのか、酸性だとH+が多くアルカリ性だと少ない」これだけ覚えておけば、だいぶ暗記量が減らせると思います。

以上であげた例は、暗記量を減らす方法の一つです。

ただ一つ一つ暗記するのではなく、暗記する前に暗記する方法を考えるのが効率がいいかもしれません。

最後に

来年は、2級を受ける予定です。

また、今は考え中の段階ですが、土壌医検定対策用のスマホアプリは今のところないので、そういうのを作って、配布しつつ自分でも勉強するのが理想ですね。

開発で勉強時間なくなっちゃいそうですが(笑)

目指せ土づくりマスター!

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